筋膜とは筋肉を包む膜のことを言い、手や足の先まで全身につながり三次元的に全身を覆っています。
筋肉を保護したり、筋収縮時のすべりを助けたりするほか、血管や神経及びリンパ管を支える機能があり、「第2の骨格」とも呼ばれる重要な存在です。
筋膜は、下記の5種類の筋膜が連続して層になり、すべての筋膜が滑りあうようにして働いています。
症状は筋膜のよじれが原因かも
非対称な姿勢や、同じ姿勢が長時間続くなど、偏った姿勢や動作によりカラダの一部分に負担が集中してしまうことがあります。
特定の部分に負荷がかかり、カラダがアンバランスな状態になっているときは、筋膜によじれが生じ、皮膚・筋肉-筋膜間の滑らかな動きが失わた状態になります。
前述したように、筋膜は全身につながっているため、よじれている部位だけでなく他の筋肉や筋繊維にまで動きの悪さが波及し、痛みや筋出力の低下、柔軟性の低下、運動パフォーマンスの低下、日常生活動作の低下などにもつながると考えられています。
肩首のこりや頭痛、腰痛などの辛い症状や、だるさや疲れやすさなどの原因にもなり、その状態が長く続くことで、更に筋肉がこり固まり、筋膜の自由度も落ちていく悪循環に陥ります。
明らかに悪い姿勢や動作だけに限らず、日常生活の何気ない姿勢や動作のクセによっても、カラダの一部分に負担が集中することはあります。自分でも気が付かないうちに姿勢が悪くなっていることは誰しもあるため、誰にとっても当てはまるといえるでしょう。
筋膜のアンバランスから循環も悪化
筋膜の機能異常がみられると、筋膜を通っている血管や神経、リンパ管などが圧迫されてしまい、循環障害を引き起こすことがあります。
筋膜のが柔軟に動かないことにより、血行が悪くなり、乳酸などの疲労物質が蓄積して神経系を刺激するため、こわばりやだるさ、重さといった症状が発生します。
こわばりやだるさ、重さなどの症状により、更に筋肉の緊張が助長され、血行が悪くなるという悪循環に陥り、セルフケアだけでは修復が難しい状態に陥ることもあります。
筋膜のよじれやねじれを解消する方法は?
筋膜のよじれやねじれを解消するために理学療法士などが行う「筋膜リリース」という手技が、最近では雑誌やテレビでも取り上げられることが増えています。
自分で筋膜リリースを実施することでカラダのバランスを整えることも可能ではありますが、自分のカラダのどこが硬く伸びにくいのか、細かい部分までを自分で評価することは難しいといえます。
もちろんセルフケアは大切ですが、問題のある部位だけでなく全身の状態をとらえて必要なセルフケアを行うことは難しいでしょう。
整体によりカラダを整えるメリットとは?
筋や筋膜の活動は日常生活を快適に過ごす上で、非常に重要な役割を担っていますが、日ごろの何気ない姿勢や動作など習慣によって簡単にねじれやよじれが生じてしまう繊細さを持ち合わせています。
身体的な負荷だけでなく、ストレスなどの精神的な負荷による血圧やホルモンの影響によっても血管が収縮し、筋膜異常が慢性化することがあるほか、天候による気圧の変化で過剰な血管の収縮が起こるなど、あらゆる状況の変化によって影響を受けます。
私たちは、カラダの状態だけを考慮して環境を選んで生活することは難しいため、変化に対してカラダを調整していかなければなりません。しかしながら、アンバランスなカラダの状態では、変化に対応することが難しく、対応しきれない結果、不調が出現します。
このように様々な要因が絡み合っている状態を、自分で評価&ケアをすることは難しく、時には本やインターネットで紹介している通りにやっているのに、痛みが出てしまったり、楽にならなかったりすること少なくありません。
自分のカラダが良い方向へ向いていたとしても、それに気がつかず悪い状態だと自分で思うことで本来の機能を発揮できないこともあります。
私は理学療法士として、様々な状態のお身体を診させていただいてきました。
その経験をもとに、定型パターンとしてではなく、その人本来の動きを呼吸や姿勢、動作などあらゆる要素から評価し、その人にとっての動きやすいカラダへと変わっているかどうかをある程度判断することができます。
客観的な判断が難しい自分のカラダだからこそ、客観的かつ専門的な視点と経験を持つ施術者の施術を受け、自分のカラダがどのような状態であるか、また今後変わっていくことが可能かどうかを知ることはとても重要なことだと考えます。
そうすることで、現在の症状がどういうものか、どの程度で落ち着くのか、もしくは病院などの医療機関で診てもらう方が適しているのかをアドバイスをもとに判断することができます。
自分のカラダを知ることは、精神的な安定にもつながり、自分のカラダを大切にするための大きな1歩でもあります。
このホームページを見て、こんな視点もあるのだなと、整体の可能性を感じてもらえましたら幸いです。